マルクスは笑っている。「歴史は繰り返す、ヘーゲルはそう述べたが、大事なことを忘れていた。歴史は繰り返す、1度目は悲劇として、2度目は喜劇として。」
菅はおそらく首相をやめることになるだろう。法で禁じられた外国人による献金が発覚し、かつ先日はそのことを理由に前原を辞めさせているのだから、もう首相を続ける理由を探すほうが難しい。
今回のことから、私たちは以下のような総括を必要としているように思われる。
第一に、開発主義と新自由主義の関係である。私はかつて、開発主義のヘゲモニーに新自由主義が挑戦することで、開発主義の修正としての新自由主義というテーゼを主張した。政権交代前後は、まさに開発主義と新自由主義の調整様式の模索として政治が動いていたといってよい。
しかし、民主党内部で開発主義および選挙管理委員の名をほしいままにしていた小沢の排除に成功した段階で、民主党は窮地にたたされる。すなわち、地方への分配の方法がないこと、そして内なる敵を批判しおえたら次はその刃が自らに向くということ、そのことを処理しきれないがために、民主党は次の一手を打ち出せないでいる。
前原、そして蓮舫も、菅も含めて、地方の地盤ではなく、またそれがゆえに、財政の基盤を外部に求めざるをえなかった。前原も菅も、在日韓国人やヤクザから献金をうけている。前者のために外国人よりだと右翼からは批判され、後者のために自民党と同じだと批判される。
私たちは、二大政党性および政権交代が一睡の夢であったことを学ぶ。政治にはカバン(金)・カンバン(知名度)・ジバン(地元)が必要と言われるが、開発主義が強固であった日本においては、やはりカネなき政治(家)は成功しないのである。
第二に、イデオロギー的に開発主義と新自由主義は悪質な共犯関係にあったということ。
前原は、近所のおばあちゃんから5万円を4回ずつもらって、外相をやめた。そのおばあちゃんが外国人であったためだ。むろん私は、前原など支持するわけがない。生存権の理念をそれ自体捨てようとし、アメリカと一体になった軍事戦略を目論む輩に、私が肩入れするわけがない。
しかし、もう30年以上住んでいるひとりの老婆−そして直接にはマスコミに現れない数十万という在日の人々――を考えると、それが果たして憲法に違反するような状況なのか、と怒りをもって問いたくなる。おそらく該当する法の条文では、違反であり、前原も、(それよりもだいぶ質としては悪質だが)菅も、(法的に誤りであるから同義的にも誤りだとするのであれば)誤りだということになるのだろう。
これは、この国が戦前からこっち、外国人への差別を当然のものとして、社会問題として一時的に表象されることはあっても、根本的な問いかけはなされてこなかったことの表れであると思われるのである。一言でいえば、これは植民地主義の発露以外のなにものでもないと私は思う。入国の管理、労働者としての差別、戦争・戦後責任への態度、どれをとっても、「日本人」としてのメンタリティが鋭く問われていることを意図的な忘却によって退けているとしか思えない。
そしてそれは、近代的な理念である平等とはかけ離れた社会のあり方を根本とするものである。それが開発主義と新自由主義の共犯関係にあるのだと思う。
開発主義は、中間団体による財の分配という社会統合の在り方であるが、そこにおいては市民の積極的な政治・社会参加は促進されず、むしろその土地や地域における権力者や業界団体が力を持つことになった。ここにおいては、選挙権を持つことがなく、また戦前以来の植民地主義をアメリカの協力により「清算」したとしてあたかも法的な「日本人」と平等であるように表象される(ことの多い)外国人の権利は、抑制されることはあれ、積極的に主張されることはなかった。
新自由主義は、格差の進展に伴う社会不安・承認への欲求をナショナリズムへと水路づけることによって、外国人を差別することによって日本人としての正当性を確保するという回路を形成した。もちろん、ナショナリズムそれ自体はネオリベラリズムと完全に一致するわけではなく、反体制的たり得る右翼もいようが、いずれにせよ、実際にそれは外国人差別を助長する以外のなにものでもない。
まだ私も外国(人)差別に対しては不勉強である。入管や戦後責任の問題については疎い。これからも勉強しなくては。
2011年03月13日
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Excerpt: 何か知らんが、東京都荒川区の図書館に設けられてた女性専用席を廃止したことを自慢していた荒川区議会議員がいたらしい。
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